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B787・6 デリバリー開始までの経緯 [├雑談]

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B787・5 初飛行までの経緯
    

初飛行からデリバリーまでをまとめてみました。

部分的に過去記事と重複しておりますのでご了承くださいませ。

今後も787関連の記事はアップすると思いますが、「787・※」シリーズはこれで完結です。


2009年12月
22日 テストフライト2号機(ZA002)初飛行


2010年1月
15日 耐空証明検査完了。より多くのパイロットやフライトエンジニアとテスト機によるフライトテストが可能に。
これまでに15回のフライトテストを実施。高度は最高30,000フィート(9,144メートル)まで上昇、速度もマッハ0.65を記録。
29日 失速テストを実施

2010年2月
03日 テストフライト3号機(ZA003)で客室内デザインを初披露
16日 747ドリームリフターの最終機となる4号機(N718BA)の運航を開始。(4機体制で運びまくるんですね)
19日 ZA001、エンジントラブルで緊急着陸
24日 ZA004によるテストフライト開始。787-9型機(ストレッチ型)の開発と認証取得に必要なデータをより早期に収集する必要があるため、ZA003より先にZA004のフライトテストを開始した。今後ZA004は、航空力学や高速性能、推進性能、飛行荷重、空港周辺地域への騒音、ならびにETOPS(双発旅客機用の運航ルール)を中心に、多くのテストを実施。
受注数:876機

2010年3月
09日 フライトテスト用の2号機(ZA002)がカリフォルニア州ビクタービルに到着。フライトテストを開始。
14日 フライトテスト4号機(ZA003)、初飛行。
28日 静止テスト用機体にて主翼の最大荷重、屈曲テストを完了。民間機が運航中に予想される最大値の150%の荷重を機体に加え、主翼は、上方に約25フィート(7.6メートル)屈曲。胴体は通常運航最大値の150%まで加圧。分析の最終結果は数週間後提出予定。

2010年4月
06日 整備士養成第1期クラスを終了。この第1期クラスには、787型機のローンチカスタマーであるANAから10名の整備士と、国土交通省航空局より2名が参加。 ANAからは今回の10名を含め、計150名の整備士が今後7か月間にわたって受講する予定。
07日 3月28日実施の主翼、胴体への最大荷重テスト詳細分析の結果、成功裏に完了と発表。
16日 フライトテスト、500時間を記録。
20日 米連邦航空局(FAA)より型式検査承認(TIA)を取得。これにより、テスト機へのFAAスタッフの搭乗が可能となり、必要とされるフライトテストからのデータ収集が加速することに。
22日 フロリダ州バルパライソのエグリン空軍基地にあるマッキンレー気候研究所の特別格納庫で、極限天候下での一連のテストを開始。46℃~-43℃までの条件下で787型機をテスト。
受注数:866機

2010年5月
10日 GEnxエンジンを初起動。
12日 2名のANAパイロット、787型機(ZA001)の初フライト実施。
25日 フライトテスト4号機(ZA004)アリゾナ州のフェニックス・メサ・ゲートウェイ空港にて高温地帯での低高度飛行テストを実施。これまでに820時間以上の飛行を実施。
26日 フライトテスト4号機(ZA004)、コロラド州コロラド・スプリングに移動。高地空港用テストを開始。
受注数:860機

2010年6月
16日 GE製エンジンを初搭載したフライトテスト5号機(ZA005)初飛行。
総飛行時間1,000時間を突破。新型機の認証取得に必要となるテストプログラムの約40%を完了。フライトテストは非常に順調。

2010年7月
01日 ストレッチ型である787-9型機の最終コンフィギュレーションを決定。787-9型初号機のデリバリーは2013年後半を予定。
787型機の初号機は、2010年第4四半期にデリバリー予定。
18日 ファンボロー空港に到着。米国外で初公開。
19日 ファンボロー・エアショーにて展示。

2010年8月
16日 787型機用パイロット・トレーニングコースの暫定承認を米連邦航空局(FAA)より取得。5~20日間の受講により787型機の操縦資格への移行を可能にするもので、787型機との共通性の高い777型機の操縦資格を有するパイロットの場合、5日間のトレーニングを行う。現在、ボーイング・トレーニング&フライト・サービスは、東京、シンガポール、上海、シアトル、ガトウィック(UK)の5か所に施設を擁しており、8セットのトレーニング装置を備えている。
27日 787初号機デリバリーを2011年第1四半期半ばに変更。ロールスロイスエンジン供給遅延、水平安定板の製造上の問題、テスト機への搭載器材の積み降ろし等の問題のため。

2010年9月
03日 各フライトテスト機による試験続く。離陸中断、高温、極寒地域での運用、飛行荷重、着氷等、各試験が行われる。
13日 機体疲労テスト開始。航空機の商業運航可能期間に予想されるフライトの3倍の回数を想定したテストを行い、長期間継続して運航を繰り返した場合の構造や材料の疲労に対する強度を調べる。米連邦航空局の認可取得には、航空機の商業運航期間に予想される2倍の回数を想定したテストが必要とされることから、ボーイングでは、初号機のデリバリーまでに10,000回の模擬フライトを予定。

2010年10月
04日 フライトテスト6号機(ZA006)がテスト開始。これで予定していた全6機体制に。これまでに着氷テスト、騒音テスト等を完了し、初期の787型機に必要な離陸や操縦性能テストは完了。フライトテストはこれまでに1,900時間以上、620回以上のフライトを実施しており、ロールスロイス製エンジン搭載機に必要なフライトテストの65%以上を完了。また、4,000時間以上の地上テストを成功裏に完了。

2010年11月
09日 フライトテスト2号機(ZA002)、飛行中に機内の電気系統で火災発生。主電源停止。機は緊急着陸。他テスト機によるフライトテストプログラムを延期することを決定。
11日 フライトテスト2号機(ZA002)緊急着陸についての最新発表。発火元は"P100パネル"で、火は断熱材によって自動消火された。P100パネルは、機体後部の電子機器格納室に搭載されている複数の電源盤の1つで、左エンジンからのパワーを受けてシステムに配電する機能を持つ。このパネルに問題が発生した際には、ラムエア・タービン(RAT)、補助電源装置(APU)、バッテリーなどを含むバックアップ電源が作動し、自動的に機体の操縦に支障の無い電源が確保されるように設計されている。今回の停電時にも、それらのバックアップシステムが予定通りに作動し、機体のコントロールにも支障が無く、同機は無事に着陸した。
16日 出火原因の究明を継続。フライトテスト1号機(ZA001)がサウスダコタ州ラピッドシティからシアトルに戻り、5号機(ZA005)はカリフォルニア州ビクタービルからシアトルへ戻す決定。不具合が生じていた時間は90秒以内、その間火災が発生していた時間は30秒以内。787型機のフライトテストプログラムの再開時期はまだ決定していない。決定までには、今回の原因に関してのより詳細な調査と、787型機のデザイン変更の有無も含めた検証が必要であり、787型機プログラムのスケジュールに関しては、フライトテストプログラムの再開スケジュールが決定後に発表する予定。
24日 出火原因はP100パネルのショートかアーク放電によるものであり、その要因となったのは異物混入の可能性が高いことが判明。対策として電力分配機能の保護、管理を強化するために、機内電力分配パネルの設計微修正と、システム用ソフトウェアのアップデートにより不具合が生じる可能性を低減させる。

2010年12月
23日 電力分配システムの暫定版アップデートソフトウェアをインストールし、本日よりフライトテスト4号機(ZA004)にてフライトテストを再開。フライトテストの中断期間も認証取得に向けた地上テストを継続しており、今後も量産用の機体を使用して更なる地上テストを実施する。787型機プログラム全体の新スケジュールは、今後のフライトテストの実施スケジュールが決定した段階で1月中に決定する予定。

2011年1月
18日 初号機デリバリーは本年第3四半期と発表。今回のスケジュール変更は、昨年11月のフライトテスト中に発生した問題の影響を受けたもので、新しい電力分配パネルの製造とアップデートソフトウェアの開発、それらを全機体に取り付け、インストールするために要する日数を考慮した。さらに、認証取得に必要な期間と予備日数を加えてこの新スケジュールを決定した。787型機のフライトテストプログラムは徐々に元の状態に戻りつつあり、6機のフライトテスト機のうち4機は暫定版アップデートソフトウェアと新パネルのインストール後、地上テストを経て既にフライトテストを再開している。近日中に残り2機もテストを再開し、テストプログラムはフル稼働となる。2011年内の787型機のデリバリー機数は、今月26日の2010年度決算発表時に合わせて発表する予定。
26日 2010年度第4四半期および2010年度の業績を発表。 787型機は2011年第3四半期、747-8型機は2011年半ばに初号機のデリバリーが予定されており、この2機種の2011年度の合計デリバリー数は25~40機の見込み。
受注数:57社より847機

2011年2月
24日 フライトテスト、1,000回達成。テストはここまで順調に推移しており、 フライト時間は約3,000時間、飛行距離の合計は100万マイル以上に達した。型式証明に必要なフライトテストに関しては、ロールスロイス製エンジン搭載機で約80%、GE製エンジン搭載機では60%以上完了している。

2011年3月
07日 チェンジ・インコーポレーション(これまでのテスト等で発見された改修を他の機体にも施す作業)開始。

2011年4月
18日 世界レベルで787パイロットトレーニング開始へ。
26日 ANAパイロット向けのトレーニングを開始。ANA10名のパイロットは、4月初旬から東京でのトレーニングを開始し、4月23日からはシアトルでフライトシミュレーターを使用したトレーニングに移行している。

2011年5月

26日 ANAとボーイングは、787をアジアで初めて日本に飛来させ、国内での検証プログラムを実施する。検証プログラムは2011年7月4日(月)から8日(金)に行われ、この期間に羽田空港と伊丹空港・関西空港・岡山空港・広島空港を結ぶ路線にて実飛行も予定。

2011年6月
07日 最初のANAパイロットチーム10名に対する運航乗務員用トレーニングを完了。今回トレーニングを受講したのはANAの教官操縦士と査察操縦士で、この10名は今後、日本においてシミュレーター訓練と路線訓練を実施する。この10名は787型機の商用運航を手掛ける初のパイロットとなる。
21日 フライトテスト1号機(ZA001)がパリ・エアショー会場に到着。22、23日の2日間、会場内に展示。
27日 フライトテストプログラムの最終段階となる実用飛行テスト(F&R:Function and Reliability Flight Test)、および双発機による長距離洋上飛行の要件となるETOPS(Extended Operations)の実証テストを開始。F&Rテストは、航空会社による商業運航に近い環境下で様々な飛行状況を想定したシミュレーションを実施するもの。またETOPSは、着陸可能な陸地から飛行時間60分以上離れた洋上航路の飛行を可能にするもので、実証テスト期間中、エンジン1基が停止した状態での長距離目的地外着陸を含むあらゆるケースを想定して安全性を実証する。

2011年7月
03日  ANAの通常塗装を施した787のフライト テスト2号機(ZA002)、羽田空港に着陸。アジア初飛来。
04日  ボーイングとANA、787の検証プログラム(SROV:Service Ready Operational Validation)を開始。1週間にわたるこの検証プログラムでは、日々の運航環境に近づけて検証を実施。メンテナンスや地上での作業を羽田、伊丹、関西、岡山、広島の各空港で行う。プログラム終了後、ANAは787の定期便としての初就航路線を、羽田=岡山、広島とする予定。
13日 ANAとの検証プログラムを成功裏に完了し、羽田空港からインドのデリー空港へ。

2011年8月

06日 ANAにデリバリーする787型初号機を初披露。初号機の機体には、「イノベーティブ」、「際立つ個性」、「モダンジャパン」をキーワードとするANAのプロダクト・サービスブランドを表現する特別塗装が施されている。この初号機は、ビジネス、エコノミーの2クラス仕様で、短距離国際線用の機内デザインを採用。
17日 ロールス・ロイス製エンジン搭載787型機の型式証明取得に必要とされるフライトテストを完了。最終フライトテストの機体は787型機の第9号機(ZA102)で、フライト中、発電システムや燃料流量計に不具合が生じた際のシミュレーションを実施した。GE社製エンジン搭載の787型機は引き続きフライトテストを継続。
26日 ANAへの初号機納入日決定。9月25日に引渡し、翌26日に祝賀式典を開催することを決定。この初号機は式典後、9月27日にシアトルを出発、翌28日に羽田空港に到着予定で、羽田においても787プログラム関係者、報道関係者を招き式典を開催する予定。
26日 787型機の米製造証明書、型式証明を米連邦航空局(FAA)および欧州航空安全局(EASA)から取得。
29日 日本型式証明取得。国土交通省航空局長からボーイングジャパン社長であるマイケル・デントンに授与。

2011年9月
25日 ボーイングとANAは航空機引き渡しに関する書類に調印、787ドリームライナー初号機のデリバリーを完了。
26日 ボーイングエバレット工場敷地内にて787初号機のデリバリー式典を開催。式典では約10,000名の参加者が見守る中、787型機プログラムに携わる500名以上のボーイング社員がANAの特別塗装を施したドリームライナーに歩み寄り、ボーイング民間航空機部門の社長兼CEOのジムオルボーから、ANAの伊東信一郎社長に787ドリームライナー初号機の『鍵』が手渡された。
28日 初号機、羽田到着。

 

未確認なのですが、A350XWBも最近になって「開発は2年遅れになる」と発表されたとかで、
エアバスも新型機の開発に相当手こずっているみたいです。
やっと初号機デリバリーまで漕ぎ着けた787ですが、世界中から部品を集めて作る方式を採用しており、
きちんと足並みを揃えて順調に生産をすることができるのか、不安視する声もあります。
ボーイングファンのオイラとしましては、今後787の製造が順調に進むことを願っております。


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