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真室川飛行場跡地 [├空港]

   2011年10月訪問 2022/3更新  


 

無題6.png
撮影年月日1947/11/11(USA M638 78) 
出典:国土地理院ウェブサイト(地理院データを加工して作成)

山形県真室川町にあった「真室川飛行場」。

元々は塩野台地の広大な荒野善用策として建設された民間飛行場だったのですが、後に陸軍飛行場に転用されました。

2019/8/17追記 : SATOHさんから情報頂きました。終戦から約20年後、跡地にはまだ戦争の跡が生々しく残っていたのだそうです。詳しくはコメント欄をご覧ください。SATOHさん貴重な情報をどうもありがとうございましたm(_ _)m

■防衛研究所収蔵資料「陸空-本土防空-48飛行場記録 内地(千島.樺太.北海道.朝鮮.台湾を含む) 昭19.4.20第1航空軍司令部」

に1/10,000 真室川飛行場(昭一八、七、一調) があり、先頭のグーグルマップはここから作図しました。

資料には飛行場の敷地として、赤で示した長四角(1,100mx700m・南東の角が飛び出ている)が描かれていました。

更に黄色で示した北側と西側に張り出した形が描かれ、「拡張中」と書かれており、

この「拡張中」の文字と、赤で示した線が×で消されています。

それから赤い長四角の南北方向の長さとして「700」とあるのが消され、

黄色で示した南北方向の「1080」が書き加えられています。

元々の飛行場敷地は赤い長四角だったものが、後に北と西に拡張した、ということなんでしょうね。

同要図には、恒風:西北西/東 とも記されていました。

同資料の情報を以下記させて頂きます。

位置
 山形県最上郡真室川村
積量
 飛行場約四十二万五千坪(付属設備除く)
地表の状況
 地表堅硬概ね平坦にして排水良好なり
 芝の発育状態概ね良好なるも丈高
 き雑草多し
周囲の状況
 東方五十米南方百七十米を隔て五十一米の
 山に囲まれ北方及西方は約五十米の凹地
 なり
□□□□□
 拡張の余地なし
天候気象の交感
 十一月より四月降雨及雪解の為使用し得ず
 本年二月の積雪一米五十糎―ニ米なり
格納施設
 格納庫二棟(中練□大機)
 自動車庫一棟(七台)
飛行機掩体数
 なし
居住施設
 一〇〇名収容の兵舎あり
 炊事浴場の設備完備す
交通の状況
 奥羽本線真室川駅より約三粁
 交通機関なし
其の他
 付近居住施設なし

現在は飛行場の地割が残っていない箇所があり、かなりフリーハンドな作図をしてしまったのですが、

上記資料の「積量」の項目で、「飛行場約四十二万五千坪(付属設備除く)」とあります。

オイラの作図のうち、付属設備を除いた黄色部分は 1.41㎢≒426,525坪 でしたので(編集画面だと面積が表示される)、

おおよそこんな感じだったと思います。

■「飛行場要図綴 其の二 一復(陸空-本土周辺-105)」にも当飛行場の大きな青焼きがあり、

黄色の滑走地区はこの青焼きから(大雑把ですが)作図しました。

■防衛研究所収蔵資料「陸軍航空基地資料(本州、九州)昭19.10 水路部」に当飛行場情報がありました。
■防衛研究所収蔵資料「陸軍航空基地資料 第1 本州、九州 昭19.10 水路部」にも、
 「真室川陸軍飛行場 山形県最上郡真室川村」38°51′N 140°16′E として、以下全く同じ情報が載ってました)

面積 東西1,200米 南北1,050米
地面の状況 平坦なるも南東より北西に向け1/120の下り傾斜を為す
      硬度は普通にして排水良好なり冬期は降雪多し
目標 真室川、奥羽本線、羽州街道
障碍物 (記載なし)
離着陸特殊操縦法 離着陸方向は北西を可とす
格納設備 木造格納庫(20x30米)2棟あり
照明設備 (記載なし)
通信設備 西方約1粁に真室川郵便局(電信及電話取扱)あり
観測設備 なし
給油設備 少量あり
修理設備 なし
宿泊設備 兵舎あり
地方風 全年を通じては北西風多し
地方特殊の気象 冬季積雪多し
交通関係 真室川駅(奥羽本線)西方約1粁同駅より本場間に自動車道路あり
其の他 (記載なし)
(昭和18年4月調)

■防衛研究所収蔵資料「本土における陸軍飛行場要覧 第一復員局(陸空 本土防空7)」
にも当飛行場の情報がありました。

飛行場名  真室川
位 置   山形県最上郡真室川
規 模   要図
舗 装   記載無し
付属施設
 収容施設 空襲により大破使用不可能
 格納施設 飛行機庫棟(六〇〇平方米)
摘 要   施設軍有

D20_0231.jpg

赤マーカー地点。

山形県真室川町にある「真室川町総合運動公園・多目的運動広場」。


      山形県・真室川飛行場跡地     
末期には空襲を受けました。飛行場は戦後開田開畑されましたが、今でも所々にコンクリートの残床があるのだそうです。

真室川飛行場 データ
設置管理者:民間→陸軍
種 別:陸上練習用飛行場
所在地:山形県最上郡真室川村(現・最上郡‎真室川町‎新町‎)
座 標:38°51′N 140°16′E
面 積:140.5ha
標 高:115m
飛行場:1,100mx700m→1,100mx1,080m
滑走地区:900mx200m?
方 位:12/30
(標高、方位はグーグルアースから、他は防衛研究所収蔵資料から)

沿革
1936年 民間飛行場完成
1940年 陸軍飛行場に転用 

関連サイト:
ブログ内関連記事       

この記事の資料:
新庄市史
「21世紀へ伝える航空ストーリー 戦前戦後の飛行場・空港総ざらえ」
防衛研究所収蔵資料「飛行場要図綴 其の二 一復(陸空-本土周辺-105)」
防衛研究所収蔵資料「陸軍航空基地資料(本州、九州)昭19.10 水路部」
防衛研究所収蔵資料「陸軍航空基地資料 第1 本州、九州 昭19.10 水路部」
防衛研究所収蔵資料「本土における陸軍飛行場要覧 第一復員局(陸空 本土防空7)」
防衛研究所収蔵資料「陸空-本土防空-48飛行場記録 内地(千島.樺太.北海道.朝鮮.台湾を含む) 昭19.4.20第1航空軍司令部」


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