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宇都宮陸軍(宇都宮清原、宇都宮東、鐺山)飛行場跡地 [├空港]

   2011年10月訪問 2020/11更新  


無題5.png
撮影年月日1947/09/27(USA M518 19) 
出典:国土地理院ウェブサイト(地理院データを加工して作成)

 

栃木県‎宇都宮市‎清原工業団地‎。かつてここは「宇都宮陸軍飛行場」でした。

飛行場敷地の形がかなり残っていて、跡地は現在、工業団地、学校、公園に、

そして特に飛行学校、航空廠があった南西エリアは住宅地が多くなっています。

地元では「清原飛行場」、「鐺山(こてやま)飛行場」とも呼んでいたそうです。

■防衛研究所収蔵資料「陸軍航空基地資料 第1 本州、九州 昭19.10 水路部」の中に当飛行場の地図があり、

先頭のグーグルマップの敷地境界線はこの地図から、滑走路、誘導路は上に貼った1947年の航空写真から作図しました。
(地図には滑走路、誘導路が描かれていないため)

資料は「昭和18年4月調べ」となっているんですが、この地図が作成された後で滑走路の南側部分が延長されたようで、

この部分の敷地境界線が上の航空写真と異なっています。

同資料の情報を以下引用させて頂きます。

「宇都宮陸軍飛行場 栃木県芳賀郡清原村 36°32′0N 139°59′0E」

面積 南北1,600米 東西1,500米 総面積270萬平方米
地面の状況 平坦なるも北東より南西に向け1/280の下り傾斜を為す
硬度は普通にして一面に植芝密生す
高き台地を為すを以て排水良好なり
目標 宇都宮市、鬼怒川
障碍物 (記載なし)
離着陸特殊操縦法 離着陸方向は北又は南を可とす
東西方向場外は下り急傾斜を為すを以て注意を要す
格納設備 鉄骨造格納庫(42x50米)4棟、木造格納庫(40x30米)8棟
照明設備 (記載なし) 
通信設備 (記載なし) 
観測設備 陸軍気象観測所あり、航空気象を観測す
給油設備 あり
修理設備 あり
宿泊設備 兵舎あり
地方風 9月-翌年3月間は北風、4月-8月は南風なり
地方特殊の気象 夏季雷雨多し・霧の発生多し
交通関係 宇都宮駅前より「バス」の便あり
其の他 本場は宇都宮陸軍飛行学校なり 飛行学校に隣接して宇都宮航空支廠あり
(昭和18年4月調)
 

■防衛研究所収蔵資料「本土における陸軍飛行場要覧 第一復員局(陸空 本土防空7)」

にも当飛行場の情報がありました。

飛行場名  宇都宮
位 置   栃木県芳賀郡清原村
規 模   要図(東西1500)
舗 装   (記載無し)
付属施設
 収容施設 二五〇〇名分
 格納施設 掩体 大三〇ヶ所
摘 要   施設軍有


D20_0091.jpg

赤マーカー地点。

「清原中央公園」内。滑走路跡っぽさのない写真ですけど。。。


      栃木県・宇都宮陸軍(清原/鐺山)飛行場跡地     
建設のために国鉄宝積寺駅~航空廠間(11.7km)に軍用鉄道が敷設され、完成後は飛行場関係者の通勤などに利用されました。現在でも痕跡が残っています。また、周辺には掩体壕等施設や基礎部分がいくつか現存しているそうです(栃木県農業大学校内に掩体壕二基現存)

宇都宮陸軍(清原/鐺山)飛行場 データ
設置管理者:陸軍
種 別:陸上飛行場
所在地:栃木県芳賀郡清原村(現・宇都宮市‎清原工業団地‎)
座 標:36°32′0N 139°59′0E
標 高:121m
面 積:270ha(南北1,600m 東西1,500m・昭和18年4月調べ)
滑走路:1,500m×50m
方 位:17/35
(標高、方位はグーグルアースから)

沿革
1939年 清原村千波が原約3,000haを飛行場用地として買収
1940年 宇都宮陸軍飛行学校発足
1941年 滑走路、兵舎、宇都宮陸軍航空廠併設
1944年 11月 3日間の突貫工事で滑走路の舗装化

関連サイト:
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この記事の資料:
防衛研究所収蔵資料:陸軍航空基地資料 第1 本州、九州 昭19.10 水路部
防衛研究所収蔵資料「本土における陸軍飛行場要覧 第一復員局(陸空 本土防空7)」
「21世紀へ伝える航空ストーリー 戦前戦後の飛行場・空港総ざらえ」157p


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