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HondaJet・1 年表 [├雑談]

HondaJet・2 MH02    
HondaJet・3 エンジン開発    
HondaJet・4 OTWEM     
HondaJet・5 翼型  
HondaJet・6 機体の特徴など    


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1986年
 航空機、航空機用ジェットエンジンの研究開発開始
・基礎研究センターを埼玉県和光市に設立。航空機の研究を開始
・2輪のCXターボ、ホンダレジェンドのウイングターボ開発研究者を中心に航空機用ジェットエンジンの開発を開始
 セラミックタービン、アドバンスドターボプロップ、アフトファンに挑戦

1989年
 航空機開発で有名なミシシッピー州立大学に5人の若者を送り、大学と共同でオールカーボン複合材製の機体開発を開始

1991年
 幾つかの試作エンジンを経て、ホンダ初のターボファンエンジン、HFX-01開発に着手

1992年
 実験機「MH02」(N3079N型)完成

1993年
3月5日
 「MH02」の初飛行に成功(1996年まで試験実施)
北海道・鷹栖のテストコース内で自社開発エンジンの地上テスト

1995年
 カリフォルニア州モハベ砂漠でホンダ初のターボファンエンジンHFX-01をB737の胴体横に搭載し、延べ70時間を超える高空テスト(1996年半ばまで実施)
より強力なHFX20エンジンの開発開始

1996年
独自設計の自然層流翼、T-33にて飛行試験実施
6月
 HFX01、HFX20を米Turbo EXPO'97に出展
8月
 航空機研究プロジェクト終了。ミシシッピーの実験機開発施設閉鎖
 経営悪化から航空機研究プロジェクト大幅縮小。空力、構造の要素研究を続行する

1997年
 HondaJet開発スタート。当初より翼上面エンジン配置、広いキャビン、自然層流ノーズのコンセプトを採用

1999年
 HF118ターボファンエンジン開発着手

2000年
 ノースカロライナ州ピードモント・トリアド国際空港に研究、製造、飛行試験のための施設を建造
 航空機用次世代レシプロエンジン開発開始

2002年
 HF118ターボファンエンジンをサイテーションに搭載して飛行テスト開始

2003年
3月
 米国航空機用エンジンの製造会社テレダインと共同で、ホンダが開発する航空機用次世代型ピストンエンジンの事業性を評価するための調査を開始
12月3日
 HF118搭載のHondaJet初飛行(ライト兄弟から100年目)。自社製機体+自社製ジェットエンジンの組合せは民間では世界初

2004年 
2月16日
 世界最大のジェットエンジンメーカーGEと業務提携。HF118をベースに改良を行い、販売に乗り出す
7月15日

・米国で航空エンジン事業子会社設立を決定、
航空エンジン専門の事業会社である"Honda Aero, Inc."(ホンダ・エアロ・インク)を設立し、年内の稼動開始に向けて準備開始
航空エンジン事業の統括会社として、契約交渉、調達、生産準備などに当たる
・航空エンジン専門の研究所「本田技術研究所 和光西研究所」を新設
埼玉県和光基礎技術研究センターで行ってきたジェットエンジンの開発と、同じく埼玉県朝霞研究所で行ってきた航空機用レシプロエンジンの開発を和光西研究所に移管し、航空エンジンの開発体制を強化する
米国で飛行試験を実施中の実験機HondaJetは和光基礎技術研究センターで研究を継続
10月
 GEと折半出費の"GE Honda Aero Engines"を設立
新会社は、GEトランスポーテーションのあるオハイオ州シンシナティに本拠を置き、ヴァージニア州レストンに設置されたホンダ・エアロ・インクと連携し、年内稼動予定

2005年
7月28日
 オシコシ航空ショーにてHondaJet公開
これまで行ってきた試験飛行に基づいた性能、操縦安定性等のテクニカルデモンストレーションデータを初めて一般公開

2006年
7月25日
 オシコシ航空ショーにてHondaJetの事業化計画を発表
・米国に飛行機事業を行う新会社を設立し、2006年秋頃から量産型HondaJetの受注を開始
・今後3~4年で量産機の認定を取得し、米国にて量産開始。2010年中の第1号機引渡しを目指す
・販売網とサービス網を構築するため、米国の飛行機メーカー、パイパー・エアクラフト社と業務提携する
HondaJetプロトタイプは既に累計240時間以上の試験飛行を行い、4万3千フィート(約1万3千m)の最高高度、412ノット(約763km/h)の最高速度を記録しており、狙い通りの性能を実証している
ホンダはかねてよりジェット機の開発について、「研究のための研究」、「ビジネス・プランはない」としてきた。そのため今回のHondaJet事業化計画の公式発表まで、「HondaJetは商品化することなくこのまま研究終了するのではないか」、「本命はエンジンの方で、HondaJetは単にそれを実用化するためのプラットフォームに過ぎないのではないか」、という憶測が流れていた。業務提携したGEも、「ホンダの本音は航空機ではなく航空用エンジン」という見解だった
8月
 HondaJet事業化に向けて新会社、"Honda Aircraft Company,Inc" (ホンダ エアクラフト カンパニー)を設立
これまでHondaJetの試験飛行の拠点となってきた米国ノースカロライナ州グリーンズボロ市のピードモントトライアッド国際空港の敷地内に設立し、HondaJet量産型機体の開発、認定取得、生産準備、販売を担当する。10月からの本格稼動に向けて今後準備を進め、秋頃からHondaJetの受注を開始予定。これでHonda航空事業はエンジンと機体両面で体勢が整ったことになる。
HondaJetは累計260時間以上の試験飛行を行い、狙い通りの性能と信頼性を実証している
10月7日
 航空ショーでHondaJetの受注開始。3日間で100件を超す受注を獲得。標準装備での販売価格は365万ドル
2010年から年間70機規模で量産開始予定
10月11日
 米国連邦航空局(FAA)に型式認定の申請
10月16,17日
 NBAAにて、HF118の改良型であるHF120が量産型HondaJetとSpectrum社のFreedomに搭載されると発表
いずれの機体も2010年の引渡し開始予定で、今後も世界の機体メーカーに営業活動を行う

2007年
2月9日
 ホンダ エアクラフト カンパニー、ノースカロライナ州グリーングボロに新本社とHondaJet生産工場建設を決定
7月17日
 ホンダの航空エンジン事業統括会社であるホンダ エアロ インクは、航空エンジン事業統括会社の新社屋とジェットエンジンの生産工場を米国ノースカロライナ州バーリントン市の空港隣接地に建設すると発表
建設開始は2007年10月、生産開始は2010年後半の予定。当初の生産規模は年産200基、同社製エンジンのオーバーホール事業も予定している
9月11日
 埼玉県和光市の本田技術研究所航空機エンジン開発センターにおいてGE Honda HF120のフルエンジン状態での性能実証試験開始と発表 
GE HondaはHF120の圧縮機、燃焼器、高圧タービンなどからなるエンジンコア部分の運転試験をこの春より開始し、圧縮機とタービン翼形の力学的、 空力的特性の確認を行い、夏からはコア全体の性能と熱的特性の確認作業を進めてきた。今回のフルエンジンでの試験により、今後5ヵ月間でエンジンの熱的特性、構成要素ごとの効率、運用上の性能などを検証していく。今後もテストを進め、2008年に始まる認定取得試験に備える。GE Hondaは2009年中にHF120の型式認定の取得を目指している。今後7基の試作エンジンを生産する予定。→試験は成功し予定通りの出力を達成
9月25日
 量産機のインテリアデザインを発表。人間工学の面から居住性と操作性、および安全性に焦点を当て、素材の質感、造形、構造の細部にまでこだわるキャビンを実現
10月25日
 HondaJet、「2007年度グッドデザイン金賞」を受賞
エンジンを翼の上に設置する独創的な空力設計によって、HondaJetの造形がこれまでの航空力学の常識を大きく覆しながら優美な美しさを兼ね備えた点が評価された。グッドデザイン金賞受賞は日本の航空機史上初
11月28日
 航空エンジン事業統括会社の新社屋とジェットエンジン工場の建設を開始。生産開始は2010年後半の予定。

2008年
3月3日
 HondaJetの販売をメキシコとカナダに拡大と発表
メキシコでのHondaJetの販売、サービスは、メキシコでトップクラスのビジネスジェット運航企業である"Servicios Estrella,S.A.de C.V."(セルビシオス アエレオス エストレージャ社)が行う。今後、拠点であるメキシコシティ近郊のトルーカ国際空港内にHondaJet専用の販売・サービス施設を新設し、メキシコ全土での販売およびサービス提供を行う。メキシコの Ejecutivas,S.A.de C.V.(エアロリネアス エヘクティバス社:以下ALE)より、既にHondaJet10機を受注しており、2012年の引渡し開始を予定している。ALEはメキシコで航空機の チャーターや共同所有サービスを提供する大手企業の一社で、トルーカおよびモンテレーを拠点としている。10機のHondaJetは、"MexJet"と称される会員制のプレミアムチャータープログラムに使用される
カナダ国内の顧客への販売は、米国ノースカロライナ州グリーンズボロのHACI本社が一括して行い、メンテナンスサポートは米国内のHondaJetサービスセンター施設を通して提供される
4月17日
 HondaJetの受注を欧州に拡大と発表
5月にジュネーブで開催される航空機ショーにて 欧州でのHondaJetの販売価格、販売・サービス網などについて発表を予定
5月20日

 欧州にてHondaJetの受注を開始
スイスのジュネーブで開催される航空機ショー、EBACE(European Business Aviation Convention and Exhibition)において、欧州におけるHondaJetの受注を開始する。引渡しは2012年後半を予定
欧州での販売とサービスは、HondaJet UK & Northern Europe、HondaJet Central Europe、HondaJet Southern Europeを、英国のTAG Aviation SA(タグ アビエーション エスエー社)、ドイツのRheinland Air Service GmbH(ラインラント エア サービス ゲーエムベーハー社)、スペインのAviastec(アビアステック社)と提携して設立。2012年後半までに 英国、ドイツ、スペインのそれぞれに、HondaJetの販売とサービスを行うHondaJetディーラーを新たに設立する。
またパイロット訓練は北米地域と同様にFlightsafety International(フライト セーフティ インターナショナル社 米国)と提携し、欧州専用施設で最高水準のプログラムを提供する。HondaJetの欧州での販売価格は、北米地域同様のUS390万ドル
欧州最初の機体の引渡しはHonda Racing F1 Teamに所属していたジェンソン・バトン選手の予定だったが、最終的な購入契約には至らず

2010年
12月20日

 量産型HondaJet、初飛行に成功
米国ノースカロライナ州ピードモントトライアッド国際空港から離陸し、約50分間飛行。性能、飛行特性の評価、その他システムの機能試験を実施
開発・製造・販売を担当するHACI社長の藤野氏は、「今回の量産型初号機の初飛行の成功は、HondaJetの開発、認定における重要なマイルストーンであり、FAAの認定基準を満たす機体の開発が順調に進んでいることを実証しました。性能や飛行特性が非常に優れていることを確認し、Hondaの技術力の高さを実証できたことを大変うれしく思います。今までにない最先端の小型ビジネスジェット機をお客様にお届けできるよう、引き続き努力していきます」と語った。
今後は必要な認定飛行、地上試験を実施し、2012年のFAAおよび欧州航空安全局(EASA)の型式認定取得を目指す。機体引き渡しは2012年後半を予定。
また、HondaJetに搭載されるGE Honda エアロ エンジンズ社製ターボファンエンジンHF120は、今回の初飛行に先行して、量産型の飛行試験を実施、FAAおよびEASAの型式認定取得に向けてさらに認定試験を進める。HACI本社隣接地に建設中の機体生産工場は2011年前半に完成、2012年の量産開始予定

2011年
3月11日
 量産型HondaJet、最高速度425ノットを記録
米国ノースカロライナ州にあるピードモントトライアッド国際空港を離陸し、高度3万フィート(約9,144メートル)で目標性能値である最高速度420ノット(778km/h)を上回る最高速度425ノット(787km/h)、また高度3万フィート以上で最高マッハ0.72をそれぞれ記録。
開発・製造・販売を担当するHACI社長の藤野氏は、「飛行テストの初期段階で高性能を確認できたことをうれしく思います。エンジンを主翼上面に搭載する独自のレイアウトをはじめ、自然層流を実現する翼形状や胴体形状などが空気抵抗を大幅に軽減し、優れた性能や飛行特性に大きく貢献しています」と語った。
現在、2012年のFAAおよび欧州航空安全局の型式認定取得を目指し、量産型2号機を用いて強度などを確認する構造試験を実施。今後は、量産型3号機および4号機で、それぞれシステム試験やアビオニクス(航空電子機器)試験等を予定。また、2012年前半の生産開始、2012年後半のデリバリー予定
4月

 HACI本社隣接地内のHondaJet機体生産工場完成。この工場は、HondaJetの組み立て、塗装、出荷検査までの全工程 を効率良く行うことができるように設計されており、2012年の生産開始に向けて設備の設置などが行われている
4月27日

 量産型HondaJet、最大運用高度4万3,000フィートを記録
HondaJetは米国ノースカロライナ州のピードモントトライアッド国際空港を離陸し、最大運用高度4万3,000フィートと上昇率毎分3,990フィート(約1,216m/分)をそれぞれ記録。
現在、FAAおよび欧州航空安全局の型式認定取得に向けて、量産型初号機、2号機による各種認定試験が順調に進んでいる
5月17日

 スイスのジュネーブで開催されているビジネス航空ショーのヨーロピアン・ビジネス・アビエーション・コンベンション・アンド・エキシビション(EBACE)において、赤いカラーリングを施した量産型3号機を公開。
開発・製造・販売を担当するHACI社長の藤野氏は4月に実施した試験飛行に関し、「飛行テストの初期段階でHondaJetの優れた性能を改めて確認できたことに満足しています。今回の飛行試験でも期待通りのデータを得ることができました。認定飛行や地上試験を行うために、複数の量産型機の追加を予定しています。2012年後半のお客様への機体引き渡しに向けて、認定試験の効率をさらに高めていきます」と語った
10月10日

 HondaJet用のメンテナンスサービス(Maintenance Repair and Overhaul 以下、MRO)施設の建設計画を発表。
ノースカロライナ州グリーンズボロ市にある本社隣接地に、2012年前半に施設の建設を開始し、2013年前半の完成を目指す。このMRO施設では、HondaJetの総点検、広範囲にわたる重整備や機体の補修および修理などを行い、ディーラーでのアフターサービスを補完する。
HACI社長の藤野氏は、「お客様へのサービスを行う上での最適な場所を慎重に選考した結果、今回の決定に至りました。我々は、HondaJetを購入してくださったお客様に対して、Hondaならではの最高レベルのアフターサービスを提供することを目指します」と語った
10月11日

 顧客への引き渡し時期が、当初予定の2012年後半から、13年後半へと約1年遅れることが明らかに。ホンダの関連会社が開発しているエンジンの認定作業が遅れているのが原因
11月18日

 HondaJet、飛行試験用量産型3号機 初飛行に成功
ノースカロライナ州のピードモントトライアッド国際空港で初飛行に成功。今回の初飛行では、降着装置、高揚力装置などの性能試験、機体の操作安定性試験、データシステム、着陸システム試験など基本性能やシステムの確認を実施。
量産型3号機の本格的な飛行試験の開始に加え、機体強度などを確認する構造試験も順調に進んでおり、構造試験用の量産型2号機による制限荷重試験をすべて完了。一連の試験でHondaJetの構造強度を確認できたことで、FAAの認定基準を満たす機体の開発が順調に進んでいることを実証。
2012年には飛行試験用の量産型4号機、5号機や構造試験用の機体が追加される予定で、認定取得に向けてより一層取り組みを強化する

2012年
1月30日

 HondaJet量産機製造計画発表
今夏を目処に量産型機の製造に着手。約1年間の検証期間を経て2013年中に米連邦航空局の型式認定を取得し、量産機をデリバリーする。1機当たりの生産期間も当初の10-12カ月間から2015年に3-4カ月間に短縮し、年間生産台数を年80-100機にする計画。

 

*今後HondaJet関連のシリーズ記事をいくつかアップする予定です。