習志野陸軍演習場不時着陸場跡地 [├空港]
2012年7月、2022年2月訪問 2022/2更新
撮影年月日
1947/11/08(昭22)(USA M636-A-No2 222)■
出典:国土地理院ウェブサイト(地理院データを加工して作成)
千葉県船橋市習志野台にある「習志野演習場」。
第一空挺団の降下訓練が行われる場所です。
元々この場所は旧陸軍時代から「習志野演習場」として使用されていました。
先頭のグーグルマップ、1947年撮影の航空写真はそれぞれ、
A(青マーカー):「習志野離着陸場」
B(紫のシェイプ):「滑走路跡?」
C(黄色のシェイプ):「習志野陸軍演習場不時着陸場跡地」
で、写真中央にあり一番目立っている長方形のものは射撃場です。
Aの「習志野離着陸場」が現在最も滑走路っぽいのですが、現在固定翼機は使用できないのだそうです。
Bについては、以前アギラさんから頂いたコメントで、習志野演習場関係者の方からのお話として、
昭和40年位まで縦と横の短い滑走路があり、米軍の小型機もいた時期があったのだそうで、
うっすら映っているBの部分がその「縦の滑走路」なのではないかと思いました。
この滑走路らしきもの、ターニングパッドも含めて450mしかなくて、本当に短いです。
詳しくはコメント欄
Cについてですが、これは陸軍当時の不時着陸場で、
■防衛研究所収蔵資料「関東地方飛行場及不時着陸場 昭和18年8月刊行 水路部」に付図があり、
そこから作図しました。
また当不時着場の情報がありましたので下引用させて頂きます。
第7 習志野陸軍演習場 (昭和18年1月調)
管理者 習志野陸軍演習場主管(高津庁舎内)。
位置 千葉県千葉郡大和田町(習志野原)。
(大和田町の南西方2.5粁、北緯35°42′0、東経140°5′0)。
種別 不時着陸場。
本演習場は長さ東西3粁、南北2粁に及ぶ広濶なる自然の原野にして陸軍各兵
科の戦闘教練場として常時主要せられつつあり。従来不時着陸場として使用せ
られつつある地域は本場の略北東隅即ち射爆場の東側地区にして俗称高津台と
称する平坦なる台地なり・以下当地域に就き記述す。
着陸場の状況
高さ
平均水面上約28米。
広さ及形状
着陸可能地域は概ね図示の長さ北北東-南南西約600米、幅西北西-東南
東約300米の矩形地域なり(付図参照)。
地表の土質
粘土混りの赤土。
地面の状況
着陸地域内は概ね平坦なるも極めて緩かなる波状起伏を為す・地盤は極め
て堅硬にして殆ど一面に良好なる芝密生す・南側寄りに地肌を露出せる禿
地2箇所あり之等の禿地は降雨後水溜を生じ稍軟弱となるも其の他の地域
は降雨直後と雖も地盤堅硬なり・夏季野芝の伸長は約1尺に及ぶも常時自
動車及戦車等の重壓に依り一面に匍匐し極めて平滑なり・南東方外側付近
に掘鑿せる低き自動車道路あり、着陸の際飛越えざる様注意を要す。
場内の障碍物
降雨後水溜を生ずる禿地2箇所あり。
適当なる離着陸方向
北東又は南西。
離着陸上注意すべき点
東西方向は着陸地区狭隘なるを以て西風強吹する際は着陸困難なり・射撃
場の南側地区は上空よりは平坦地に見ゆるも極めて凸凹激しきを以て使用
せざるを可とす。
施設
使用前演習場主管宛に予告せば着陸地域の両端に赤旗を掲げ之を標示すと
謂う・西方射撃場土堤の麓に射撃場番人宿舎あり又南西方約2粁の高津庁
舎内に本演習場主管事務所あり。
周囲の状況
樹林
南西方は極めて広濶なる平坦地なるも着陸地域の西側は緩除なる下り傾斜
をなす凹地あり、此の凹地を隔てて高さ8-10米の松樹林及高さ15米の
射撃場の土堤(堤上に松数本あり)存在す・北方一帯には高さ8-20米程
度の松樹林囲繞す・東より南方は概ね開闊なるも約200米を距てて深さ
10米、幅約100米の谷あり。
建築物
付近に障碍となる建築物なし。
着目標
騎兵連隊営舎(南西方3粁)、高津庁舎(南西方1.8粁)、京成電気軌道、
射撃場。
地方の状況
軍隊及憲兵
高津庁舎(南西方約1.8粁)内に常時各科兵宿泊駐屯す、昼間は本場付近
に演習中の自動車隊あり、騎兵学校(二宮町)西方約2.7粁・習志野憲兵
分隊(二宮町)西方約3粁。
医療
習志野衛戌病院(南西方約3.5粁)、大和田町及薬円台に開業医あり。
宿泊
付近の村落は寒村にして旅館なきも薬円台及大久保町には相当の旅館あり
・南西方約1.8粁の高津庁舎には約5,000名収容し得る宿泊(兵舎)設備
あり。
清水
西方約300米に在る射撃場番人宿舎に水質良好なる井戸あり。
交通、運輸及通信
鐡道及電車
津田沼駅(総武本線)西南西方約8粁・実籾駅(京成電気軌道)南西方約
2.5粁・千葉市より高津庁舎の北側及騎兵営舎の東側を経て大久保駅及津
田沼駅に至る軍用軌道あり。
乗合自動車
北東方約1.9粁の佐倉街道(津田沼-佐倉町間)に乗合自動車運行す、最
寄停留所は大和田町(北東方約2.5粁)なり。
道路
東方約500米に北は大和田町を経て佐倉町に、西は津田沼町を経て船橋及
千葉市に通ずる県道あり。
馬車
場内付近にて常時(昼間のみ)自動車隊の戦技演習を実施し居れるを以て
之を利用し得と言う。
電信及電話
大和田郵便局(電信及電話取扱)北東方約3粁・南西方約1.8粁の高津庁舎
内に電話あり。
気象
測候所
下志津陸軍飛行学校気象観測所(千葉市大字都町)南東方約9粁・航空気
象を観測す。
地方風
冬季は北西風、夏季は南東風にして低空は気流一般に悪し・4,5,9,10月
間は南東風強吹す。
天候
付近に気象観測所なく気象状況詳ならざるも本場と気象状況近似せる下志
津陸軍飛行学校気象観測所(本場の南東方約9粁)に於ける月別統計を参
考に記せば次の如し(以下月ごとのデータ省略)。
事前に連絡すれば、「ここが着陸地域ですよ」と赤旗で目印してくれたんですね。
「習志野離着陸場」北東側から。
この先に滑走路が伸びているはずなのですが…とほほ。
赤マーカー地点。
C-1
マリオ師匠にに教えてもらいましたm(_ _)m
千葉県・習志野離着陸場
滑走路西側にヘリポートが隣接しています。
・習志野陸軍演習場不時着陸場(陸軍当時)
管理者:習志野陸軍演習場主管(高津庁舎内)
位 置:千葉県千葉郡大和田町(習志野原)
座 標:N35°42′00″E140°05′00″
標 高:28m
種 別:不時着陸場
着陸可能地域:北北東-南南西約600mx西北西-東南東300m
・習志野離着陸場(現在) データ
管理者:防衛省
所在地:千葉県船橋市習志野台
座 標:N35°42′51″E140°03′53″
滑走路:400m×20m(転圧)
方 位:06/24
(座標、方位はグーグルアースから)
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この記事の資料:
防衛研究所収蔵資料「航空路資料第3 関東地方飛行場及不時着陸場 昭和18.8 水路部」