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亀山陸軍(北伊勢)飛行場跡地 [├空港]

   2010年11月訪問 2022/4更新  


無題7.png
撮影年月日1947/11/04(USA R470 57) 

出典:国土地理院ウェブサイト(地理院データを加工して作成) 

前記事の追分飛行場の南側にあった三重県‎亀山市の「亀山陸軍(北伊勢)飛行場」。

亀山JCTのすぐ東側で、跡地は現在古川電気と畑になっています。

■防衛研究所収蔵資料「陸空-本土防空-48飛行場記録 内地(千島.樺太.北海道.朝鮮.台湾を含む) 昭19.4.20第1航空軍司令部」

に 1/10,000 北伊勢陸軍飛行場 があり、先頭のグーグルマップはここから作図しました。

位置
 三重縣鈴鹿郡川崎村
滑走地区
 大型機用 二,二七四,六六四平方米
付属設備
 居住施設として約一四四名を収容し得
 二ピスト分教場程度
周囲の状況
 西方は断崖を為し南西三.五粁に一二〇.三米
 西方一.五粁に八七.二米の夫々高地あり
気象
 恒風 西北西風 副 西風
 最大風速二一.五米/秒 最大降雨量二九三粍/日
交通通信航法施設
 亀山局三五五番 三五六番 加佐土郵便局東
 五.八粁 徳原郵便局〇.五粁 関西本線
 かさど駅へ五.八粁 いたがわ駅へ三.四粁
其の他
 憲兵隊 三重縣津市西何漕町 津分隊
 警察署 亀山警察署 南西六粁
備考
 (記載無し)

■防衛研究所収蔵資料「陸軍航空基地資料 第1 本州、九州 昭19.10 水路部」

「亀山陸軍飛行場 三重県鈴鹿郡高津瀬村 34°53′5N 136°29′2E」

面積 北北東-南南西1,450米 西北西-東南東1,450米 
地面の状況 植芝
目標 鈴鹿川、東海道(国道)、津賀池
障碍物 (記載なし)
離着陸特殊操縦法 (記載なし)
格納設備 格納庫(間口35米、奥行40米)8棟
照明設備 (記載なし)
通信設備 (記載なし)
観測設備 なし
給油設備 場内にて補給し得
修理設備 修理工場あり
宿泊設備 兵舎あり
地方風 12月-翌年5月間は西北西風、6-11月間は西風、8月のみは南東風なり
地方特殊の気象 12月-翌年3月間は降雪を見ることあり、10米/秒以上の暴風は12月-翌年4月間に多し
        全年に於て晴天、雨天日数相半す
交通関係 井田川駅(関西本線)南方約3粁
其の他 本場は各務原陸軍飛行学校分教場なり
(昭和18年4月調)
 

■防衛研究所収蔵資料「本土における陸軍飛行場要覧 第一復員局(陸空 本土防空7)」

飛行場名  北伊勢
位 置   三重県鈴鹿郡川崎村
規 模   要図(東西1500 南北1600)
舗 装   ナシ
付属施設
 収容施設 一五〇〇名分
 格納施設 掩体大一〇ヶ所
摘 要   施設軍有

D20_0010.jpg

赤マーカー地点。

D20_0006.jpg

青マーカー地点

有蓋掩体壕が残っています。

グーグルでその形をハッキリ確認することができます。

通常、掩体壕は大きな開口部の反対側はすぼまっているはずなのですが、

この掩体壕はちょっと変わっていて、長方形と台形からなっています。

そしてこの掩体壕、なんと「旧北伊勢陸軍飛行場掩体」として国指定文化財に指定されています。


      三重県・亀山陸軍(北伊勢)飛行場跡地      

亀山陸軍(北伊勢)飛行場 データ

設置管理者:旧陸軍
種 別:陸上飛行場
所在地:三重県鈴鹿郡高津瀬村(現・亀山市‎能褒野町‎)
座 標:34°53′5N 136°29′2E
標 高:63m
飛行場:1,450m×1,450m
(標高はグーグルアースから)

沿革
1941年04月 開設

関連サイト:
国指定文化財等データベース   

この記事の資料:
防衛研究所収蔵資料「陸軍航空基地資料 第1 本州、九州 昭19.10 水路部」
防衛研究所収蔵資料「本土における陸軍飛行場要覧 第一復員局(陸空 本土防空7)」
防衛研究所収蔵資料「陸空-本土防空-48飛行場記録 内地(千島.樺太.北海道.朝鮮.台湾を含む) 昭19.4.20第1航空軍司令部」


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コメント 9

Takashi

おー、国指定文化財の掩体壕。なんか格式が高いですね。
ひょっとして、納屋みたいな使われ方しちゃってますかね^^
by Takashi (2011-05-25 12:28) 

雅

国指定文化財ですか。
指定される、されないの差はどこにあるんですかね?
by (2011-05-25 19:30) 

an-kazu

文化財の指定を受けながら、実質倉庫代わりになっているなんて・・・
でも残っていることに感謝m(_ _)m
by an-kazu (2011-05-25 21:48) 

koume

掩体壕で文化財に指定されてるって、そんなのがあるんですね。
↑ 倉庫代わり…私もちょっと思いましたw
by koume (2011-05-25 22:29) 

鹿児島のこういち

掩体壕の他のサイトで紹介されていた中で、指定された理由が「現存例が少ない貴重な戦争遺跡」だからだそうですよ(^O^)造られた時、今で言う型枠を支えるサポートの代わりに盛土をしてたらしいですが、その土がそのままだったそうです。
つまり一回も使われた事のない掩体壕らしいです。
所有者の農機具置場ってのもユニークですね(^O^)
by 鹿児島のこういち (2011-05-26 06:13) 

sak

国指定文化財ってすごいですね

by sak (2011-05-26 20:48) 

miffy

国指定文化財の掩体壕ですか〜
文化財なのにあまりちゃんと保存されてないような気がするんですけど・・・
by miffy (2011-05-26 22:29) 

とり

皆様 コメント、nice! ありがとうございます。

■Takashiさん
確かにそう聞くと格式高い掩体壕ですね。
でも納屋。

■雅さん
>差
規模、保存状況がここと同等かそれ以上の掩体壕は全国にたくさんあるのですが、
どうしてここだけが国指定になったのか、オイラにはまったくわかりません。
想像なのですが、たまたまこの地域に保存に熱心な方がおられて、文化庁に働きかけ、
審査を経て登録したとかそういうことではないかと思いました。

■an-kazuさん
指定されても、所有者の方にとってはあまりメリットないそうですよ。
掩体壕の使われ方としては一般的ですよね^^

■koumeさん
オイラも今回初めて知ってビックリでした。
使われ方のギャップがいいですよね^^

■鹿児島のこういちさん
情報ありがとうございますm(_ _)m
>「現存例が少ない貴重な戦争遺跡」
全国に100位現存していると言われてますから決してそんなことないんですけどね~^^;
本来の掩体壕としては、新品なわけですね^^

■sakさん
まさかそんな指定を受ける掩体壕があるとは思いませんでした。
そう聞くととても立派な気がするから不思議です^^

■miffyさん
どこで聞いたんだったか、指定を受けると税の優遇措置が受けられ、補修に補助が出る場合もあるのですが、
行政は実質ほったらかしで、所有者の意向で勝手に壊せなくなるし、あまりメリットないそうです。
所有者の方にとってはかえって負担になる例もあるそうです。
by とり (2011-05-27 06:35) 

コスト

>国指定文化財
国指定とはすごい優遇ですね。「有蓋」って蓋がポイントなのでしょうか?
亀山と鈴鹿は懐かしいです^^
友人のS川が鈴鹿で働いていた時代に、滋賀方面からJRで僕が来て
亀山駅で合流したのを思い出しました。
けっこうな山奥で田舎だったのを覚えていますが、
飛行場が作れるほどの広い平地もあったんですね。
なにせ、携帯のバッテリーが切れて「ローソンで待つ」としかメールできなかったのに、亀山には一軒しかローソンがなくて無事合流できたほどでしたw
by コスト (2011-05-30 21:12) 

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