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京都飛行場(京都乗員養成所飛行場)跡地 [├空港]

   2010年11月訪問 2022/4更新  


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撮影年月日1947/11/21(USA M661-1 79) 
出典:国土地理院ウェブサイト(地理院データを加工して作成)

前記事の大久保飛行場のすぐ西側にあった「京都飛行場」。

■日本國際航空工業株式會社の冊子(昭和17年12月5日発行)の中で、飛行場が建設されたいきさつについて、

昭和15年4月16日に日本國際工業京都工場及び付属飛行場建設起工式(京都府久世郡大久保村)
昭和16年7月25日公共用飛行場設置認可

とありました(アギラさん情報)。

■防衛研究所収蔵資料「陸空-本土防空-48飛行場記録 内地(千島.樺太.北海道.朝鮮.台湾を含む) 昭19.4.20第1航空軍司令部」

同資料にある情報を以下引用させて頂きます。

京都乗員養成所飛行場
所在地
 京都府久世郡御牧村字島田
地形
 面積
  一七二万平方米
 滑走路
  滑走路なし 北西より南東二千米 北東より南西千五百米
 土質 高低差 地表面状態
  細砂交り粘土と砂礫交り山赤土
  高低差南より北へ向つて1/950 局部的に1/950乃至1/1000
  土地平坦普通土にして糾草密生す
気象
 恒風
  冬季 北西 夏季 南東
 晴雨日数 雨期
  晴春五四 夏四九 秋五八 冬六五 三、四、八、九月(初春颱風期)
  曇〃三八 〃四三 〃三三 〃二五
  雨〃三七 〃三六 〃三五 〃二七
 地方特殊の気象状況
  夏酷暑冬厳寒を呈し雨量は府下に於て最寡を現はし最大日
  量は二百粍暴風少く又濃霧稀なり 降雪日数は二五日位に
  して視程は比較的良好なり
周囲の地理
 河
  飛行場南西方約五百米に幅三百米の川あり
 高圧線
  飛行場北端百十六米及南端百六十米の地点に共に東西向け
  高さ九米なる三千三百ボルトの電灯線あり
建造物
 一、京都地方航空機乗員養成所 十八棟
 二、    〃    格納庫 一棟
交通関係
 交通機関
  養成所より北西へ約三.五粁に京阪淀停留所ありそれより京
  都、大阪市に通ず
  養成所より東へ約四.七粁に奈良電大久保停留所あり並に省
  線新田駅あり共に京都、奈良市に通ず
  京都駅より自動車にて約二十分養成所へ着く
 交通順路
  京都九條東寺南門より京阪国道にて淀町に至り養成所に通
  ずる府道あり
 連絡機関
  一般加入電話養成所用 淀三四番 所内に官庁用施設電話あり

■防衛研究所収蔵資料「内地(千島.樺太.北海道.朝鮮.台湾を含む) 昭19.4.20第1航空軍司令部」

に当飛行場の図があり、先頭のグーグルマップは、ここから作図しました。

京都乗員養成所飛行場
所在地 京都府久世郡御牧村字島田
地形 
 面積 一七二万平方米
 滑走路 滑走路なし 北西より南東二千米 北東より南西千五百米
 土質 細砂交り粘土と砂礫交り山赤土
 高低差 高低差南より北へ向って1/950 局部的に1/950乃至1/1000
 地表面状態 土地平坦普通土にして糾草密生す
気象
 恒風 冬季 北西 夏季 南東
 晴雨日数 雨期
  晴春五四 夏四九 秋五八 冬六五 三、四、八、九月(初春台風期)
  曇〃三八 〃四三 〃三三 〃二五
  雨〃三七 〃三六 〃三五 〃二七
 地方特殊の気象状況
  夏酷暑冬厳寒を呈し雨量は府下に於て最寡を現わし最大日
  量は二百糎暴風少く又濃霧稀なり 降雪日数は二五日位に
  して視程は比較的良好なり
周囲の地理
 河 飛行場南西方約五百米に幅三百米の川あり
 高圧線 飛行場北端百十六米及南端百六十米の地点に共に東西向け
 高さ九米なる三千三百ボルトの電燈線あり
建造物
 一、京都地方航空機乗員養成所 十八棟
 二、    〃    格納庫  一棟
交通関係 
 交通機関
  養成所より北西へ約三、五粁に京阪淀停留所ありそれより京
  都、大阪市に通ず
  養成所より東へ約四、■粁に奈良電大久保停留所あり竝に省
  線新田駅あり共に京都、奈良市に通ず
  京都駅より自動車にて約二十分養成所へ著く
 交通順路
  京都九條東寺南門より京阪国道にて淀町に至り養成所に通
  ずる府道あり
 連絡機関
  一般加入電話養成所用 淀三四番 所内に官庁用施設電話あり

■防衛研究所収蔵資料「本土における陸軍飛行場要覧 第一復員局(陸空 本土防空7)」

飛行場名  京都
位 置   京都府久世郡御牧村字島田
規 模   要図(北東-南西1900 北西-南東2000)
舗 装   ナシ
付属施設
 収容施設 五〇〇名分
 格納施設 飛行機庫三棟
摘 要   施設民有

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赤マーカー地点。

久御山中央公園にある記念碑。

記念碑 逓信省航空局 京都航空機乗員養成所 と彫られています。

右隣の黒い石版(全文) 昭和十七年四月 この洛南の地に飛行場が建設され 民間航空の要員養成を目的とした逓信省航空局 京都航空機乗員養成所が開設された 同十九年八月 激動する時代の余波を受け閉鎖となるまでの間 四百余名の若人が大空を翔ける日を夢見て 厳しい訓練に耐え巣立って行った 経刻三十有余年 こゝに生ある者が基金を寄せあい 殉職された先輩ならびに戦争の犠牲となって大空に散華した数多くの教官職員同期の霊を慰めると共に 我らの青春の証としてこの地に歴史をとゞめるため こゝに碑を建立するものである 昭和五十三年四月 京都航空機乗員養成所 関係者一同

石版の裏には、「平成十五年十一月久御山町のご厚志によりこの地に移転す」とありました。


      京都府・京都飛行場(京都乗員養成所飛行場)跡地      

京都飛行場(京都乗員養成所飛行場) データ

設置管理者:日本國際工業→旧陸軍
種 別:陸上飛行場
所在地:京都府久世郡御牧村字島田(現・久世郡‎久御山町‎田井‎新荒見‎他)
座 標:N34°53′03″E135°44′44″
標 高:14m
面 積:172ha(昭19.4.20第1航空軍司令部より)
(座標、標高はグーグルアースから)

沿革
1940年04月 16日 日本國際工業京都工場及び付属飛行場建設起工式
1941年07月 25日 公共用飛行場設置認可
1942年04月 逓信省航空局 京都航空機乗員養成所開設
1944年08月 逓信省航空局 京都航空機乗員養成所閉鎖
1945年07月 爆撃を受ける。戦後接収を経て返還
1978年04月 碑建立
2003年11月 碑移設

この記事の資料:
日本國際航空工業株式會社の冊子(昭和17年12月5日発行・アギラさんより)
防衛研究所収蔵資料「内地(千島.樺太.北海道.朝鮮.台湾を含む) 昭19.4.20第1航空軍司令部」
防衛研究所収蔵資料「本土における陸軍飛行場要覧 第一復員局(陸空 本土防空7)」
防衛研究所収蔵資料「陸空-本土防空-48飛行場記録 内地(千島.樺太.北海道.朝鮮.台湾を含む) 昭19.4.20第1航空軍司令部」


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コメント 10

まめ助の母

だいぶ大阪寄りというか山の方なんですね
そっちの方面は行った事がないです…
観光地だけが京都じゃないですね(^_^)
by まめ助の母 (2011-05-20 23:41) 

鹿児島のこういち

民間のパイロットを目指してここで訓練を受けたのに、戦闘機や爆撃機乗りになられた方が大勢いらしたのでしょう。
逓信省も、そもそも民間のパイロットを育成するつもりだったのでしょうが、時代が時代ですから。
by 鹿児島のこういち (2011-05-21 07:26) 

とり

皆様 コメント、nice! ありがとうございます。

■まめ助の母さん
そうですね~。
わざわざ京都まで行って、観光地には寄り付かずにこんな写真撮る人も珍しいですよね~(o ̄∇ ̄o)ニヤ

■鹿児島のこういちさん
言われてみれば確かにそういう方もきっと大勢おられたかもしれないですね。
by とり (2011-05-22 05:55) 

山猿

はじめまして
京都飛行場の跡は、現在でもイオン久御山の東側用水路を道なりに囲めば、広大が敷地が浮き上がりますね。南東の角は、久御山高校隣の体育館辺りですね。また、記念碑の有る中央公園が南西端辺りでしょうか。
by 山猿 (2011-10-10 16:26) 

とり

■山猿さん いらっしゃいませ^^
貴重な情報ありがとうございました。
by とり (2011-10-12 05:47) 

じょん

はじめまして
興味深く拝見いたしました。
飛行場の範囲はおそらくこんな感じかと。

by じょん (2013-07-16 20:15) 

じょん

ttps://maps.google.co.jp/maps/ms?msid=216004743919790698719.0004e1526a3837e3b4ccb&msa=0
by じょん (2013-07-16 20:16) 

とり

■じょんさん いらっしゃいませ
情報ありがとうございましたm(_ _)m
1946年の写真と見比べると確かにご指摘の場所に敷地が浮かび上がりますね。
記事一部修正させて頂きました。
感謝致します。
by とり (2013-07-17 05:35) 

山猿

今頃気づきましたが、イオン久御山の「西側」用水路ですね(^^;
by 山猿 (2013-10-22 23:32) 

とり

■山猿さん
わざわざどうもありがとうございました^^
by とり (2013-10-25 05:02) 

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