SSブログ

新舞子水上飛行場跡地 [├空港]

   2011年11月訪問 2020/12更新  


無題g.png
1/25000「大野」大正9年測図「今昔マップ on the web」より作成

愛知県‎知多市にある「安藤飛行機研究所」の「新舞子水上飛行場」。

前記事の「古見水上飛行場」から、伊勢湾に沿って約4km程南下した所にあります。

1924年にこちらに移って来ました。

上に貼った地図は大正9年(1920年)測図ですから、開設の4年前のものです。

D20_0011.jpg

新舞子駅から海側への道を進むと、ファインブリッジの辺りには現在も小規模ながら砂浜が残っています。
 
水上機基地が設けられ、水上機が飛んでいたのは、おおよそですがこの辺りだったのではないかと。
 

■国立国会図書館デジタルコレクション「報知年鑑 大正14年」に、

「民間飛行機操縦術練習所」のページがあります(下記リンク参照)。

名称 安藤飛行練習所
所在地 愛知縣新舞子海岸
代表者 安藤孝三

■同「報知年鑑 大正15年」に、「本邦民間飛行場調〔大正14・8調〕」のページがあります(下記リンク参照)。

管理人 安藤孝三
種類 水上
位置 愛知縣知多郡旭村大字日長
面積 東西2,500米 南北3,000米

■同「報知年鑑.大正16年」には本邦民間飛行場調〔大正15.8〕がありました(下記リンク参照)。

使用者 安藤孝三

種類 水上
位置 愛知縣知多郡旭村大字日長字龍
面積 7,5000,000米平方海面

大正15年、16年はほとんど同じ内容なんですが、面積の項目、

2,500mx3,000m=7,5000,000㎡ となりますので、2.5kmx3km長方形の離着水エリアが設定されていたことに。

D20_0003.jpg

赤マーカー地点。

「南知多県立公園 新舞子海岸」の碑

後方にある案内板に、「新舞子は明治末期に、観光地、別荘地として開発に着手され年々海水浴場として発展してまいりました。(中略)当時は、広々とした海を背景に、白砂青松の海岸が広がり、赤や青の屋根瓦の別荘、動物園、花壇、テニスコートや水上飛行場などがあり、ロマンの香り高い美しいまちでした。」と書かれていました。

■「知多半島なんでも辞典」という本の中にもこの安藤飛行機研究場について触れられていてこの新舞子について、

「旭村下松原の海岸は、明治のころは浜辺の松林が潮風に揺れ…ていた。

砂丘は広く、幅は100m、長さ2kmに及ぶ遠浅の海岸であった。

明治末期頃から瀬戸内海の有名な「舞子の浜」に似ているところから新舞子と名付けられた」とありました。

風光明媚な、モダンな場所に飛行場を持って来たのですね~。


      愛知県・新舞子水上飛行場跡地     
延べ38機が終戦の1945年まで運行し、同研究所は日本民間航空事業の発展に努めたのだそうです
アギラさんから情報頂きました。「民間飛行學校練習所其他」{航空年鑑昭和六年)の中で、
・安藤飛行機研究所(飛行場・工場:愛知縣知多郡旭村大字日長海岸 事務所:愛知縣知多郡新舞子 沿革大正九年壱月十日古見海岸飛行場設置 大正拾三年新舞子海岸に移轉 昭和二年名古屋新宮線 昭和三年新舞子蒲郡二見線)
と記されているそうです。
また、「新宮市史年表」の中では、「1925年7月18日「安藤飛行研究所(愛知県知多郡)が申請していた愛知・新宮間の郵便飛行便に認可おりる。1935年2月16日「安藤飛行研究所(愛知県知多郡)が名古屋・新宮間の航空路を再び取り上げる」
(郵便飛行便の認可がおりるという項目はあるが、実際に飛んだという事が年表では確認できず)アギラさんありがとうございましたm(_ _)m

新舞子水上飛行場 データ
設置管理者:安藤飛行機研究所・安藤孝三
種 別:水上飛行場
所在地:愛知縣知多郡旭村大字日長字龍(現・知多市‎新舞子)
面 積:7,500ha海面
座 標:N34°57′04″E136°49′36″
(座標はグーグルアースから)

沿革
1924年    古見海岸より移転。格納庫建設。
1926年09月 名古屋港~和歌山県新宮間に1週間の定期航路を開設
1928年06月 新舞子~二見浦~浦郡間定期航路を開設
        戦後は航空輸送から撤退
1953年09月 台風13号により格納庫倒壊

関連サイト:
国立国会図書館デジタルコレクション/報知年鑑 大正14年(174コマ) 
国立国会図書館デジタルコレクション/報知年鑑.大正15年(183コマ) 
国立国会図書館デジタルコレクション/報知年鑑.大正16年(225コマ) 
ブログ内関連記事       


コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

コメント 4

tooshiba

舞子=神戸(明石海峡大橋のたもと)?
琵琶湖の西岸にも「近江舞子」ってところがありますが、そこも神戸からとったみたいです。
by tooshiba (2012-03-25 01:11) 

まめ助の母

私の帰郷コースからはちょっと外れているのですね
いつも強行軍なので寄り道なしで走ってます
途中で曲がれば知多なんですけどねぇ…
なかなか寄り道の勇気が出ないんです。

気持ち良さそうな景色ですよね(^_^)
by まめ助の母 (2012-03-25 09:25) 

me-co

碑に「県立公園」と記されていますが、今もそのままなのかな?
右側のタンク群、正面の人工島を見る限り、今や景観ブチ壊しの状況に、改めて飛行艇は環境にィ優しい乗り物だなぁ・・・と思いますね~ハイ
by me-co (2012-03-25 20:10) 

とり

皆様 コメント、nice! ありがとうございます。

■tooshibaさん
>舞子=神戸
tooshibaさんの推理通りと思います。「近江舞子」という場所もあるのですか。
神戸の舞子が如何に有名かですね。

■まめ助の母さん
確かに母さんの帰郷コースより少し南下しますね。
目的地があるのにわざわざ寄り道というのはオイラもなかなかできません。

■me-coさん
現在はそのままの名称はググっても出てきませんでした。
「南知多県立自然公園」というものがあるようですが、ここが含まれているかは不明です。
>飛行艇は環境に優しい
その発想はなかったです。
by とり (2012-03-26 06:55) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0