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千葉県・銚子タカン(旧銚子ボルタック) [├場所]

   2012年7月、2022年2月訪問 2022/2更新  



千葉県‎銚子市‎上野町‎にある「銚子ボルタック」。

前記事の「下志津陸軍飛行学校銚子分教場」敷地内西側にあります。

D20_0202.jpg

 

そのスジの方にとっては分かりきった話で恐縮なのですが、

この施設はヒコーキにここまでの方位と距離を示す電波航法装置で、

世界中から成田空港に飛来するパイロットにとって非常に重要なものです。

写真右側の巨大な丸皿みたいなのがVOR(VHF Omnidirectional Range)で、

これでここまでの方位を知ることができます。

左の巨大な人生ゲームのピンみたいのがTACAN(Tactical Air Navigation)で、

これで方向と距離の両方を知ることができます。

「これ一つで両方分かるのなら皿は要らないじゃん」と思ってしまいますが、

TACANは「戦術航法装置」と訳され、アメリカ軍で採用された軍用のものです。

民間機は距離を知るために利用するのだそうです。

VORとTACAN、2つ合わせて「ボルタック」と呼びます。

それで、ココはこれまで長いこと「銚子ボルタック」と呼ばれてきたのですが、

実は銚子VORは2015年3月運用停止となり、TACANのみ運用となりました。

このため現在は「銚子タカン」となっております。 

 

この装置のおかげで、洋上だろうが、たとえ地上が曇っていようが、夜で真っ暗だろうが、

ヒコーキはここまで真っ直ぐ飛んで来ることができますし、

ここまでの方位と距離が分かりますから、自機の位置を知ることができます。

そんな訳で非常に重要な施設であるため、24時間監視体制にあるのだそうです。

オイラがお邪魔した時にも施設内の車に人影がありました。

こちら に銚子ボルタック施設更新に伴う飛行コース変更について出ていました。

12~13年ごとに更新工事があるのだそうで、その間はこの施設が使えませんから、

代替施設が猿田に設けられ、それに伴って飛行コースが暫定的に変更されるとのことで、

その間どのように飛行コースが変更になるかもリンクが張られていました。

興味のある方は見てみてください。

DSC_0052_00001.jpg

ということで、VOR廃止後に再びお邪魔しました。

お皿も撤去したんですね。

DSC_0049_00001.jpg

DSC_0048_00001.jpg

以前は監視の目があって、ビビりなオイラは死角から離れてしか撮れなかったんですが、

今回は周囲をうろつくことができました。


      千葉県・銚子ボルタック     
外国のエアラインのクルーたちが見に来ることもあるのだそうです

銚子ボルタック データ
設置管理者:国土交通省
所在地:千葉県‎銚子市‎上野町‎
座 標:N35°43′35″E140°47′58″
標 高:53m
(座標、標高はグーグルアースから)

関連サイト:
Wiki/超短波全方向式無線標識   
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コメント 7

鹿児島のこういち

どういう仕組みなんでしょう?レーダーとは違うんですよね(^^ゞ
by 鹿児島のこういち (2012-10-26 05:29) 

Takashi

更新工事後のピカピカな機器を見れたんですね。
のどかな雰囲気と重要な施設のギャップが面白いです。
by Takashi (2012-10-26 19:11) 

koume

飛行機が飛ぶのに、こんな装置が必要だなんて、思いませんでした~。
普通に空港と飛行機本体で、やり取りするだけかと。。。
これは重要な施設ですね~。
by koume (2012-10-26 20:38) 

me-co

略称ボルたん
ではないんですね・・・
なんだか癒されてしまうネーミングだからかな?(<おばか)
by me-co (2012-10-27 01:59) 

an-kazu

また一つ空の知識を得ることができました
ボルタックっとφ(..)メモメモ
by an-kazu (2012-10-27 08:36) 

miffy

こういう施設は興味がないと気がつかないですね。
これは関東一円のものですよね。
他の地域のはどうなっているのかな?
by miffy (2012-10-27 10:18) 

とり

皆様 コメント、nice! ありがとうございます。m(_ _)m

■鹿児島のこういちさん
レーダーは、電波を発射する側が相手の位置を知ることが出来る訳ですが、
この装置は、電波を発射する側は出しっぱなし。
受信側(ヒコーキ)がその電波を利用する(位置を知る)ことが出来るのが違いだと思います。
発射側と受信側の関係がラジオと似てますね。
こういう装置を総称して「ラジオナビゲーション」と呼びます。
で、この装置の具体的な仕組みなのですが、オイラもよく分かってないんですよ^^;
いくつかサイトを調べてみたのですが、JALの航空実用辞典には次のように説明されています。
「超短波全方向式無線標識(VOR)から発信される磁北を指す電波と,
磁北から時計方向に回転する指向性のある電波の二つを受信して,
磁北を示す電波を受けた瞬間から指向性の電波を発信する瞬間までの時間差を測定して,
発信局の位置を知ることができる。」
オイラが探した中ではこれが一番分かりやすいと思いました。難しいですけど。

■Takashiさん
ピカピカに撮れなくて申し訳ないッス^^;

■koumeさん
普通そう思いますよね。
以前読んだ某雑誌では、東京~大阪という短距離区間でさえ、
10人の管制官に次々バトンタッチされながら安全に飛行できるよう
監視されているのだそうです。
我々が意識しないところでいろんな人達、機器類に支えられてるらしいです。

■me-coさん
>ボルたん
アハハ、いいですね~
キャラクター作ったら航空ファンに売れるかも(o ̄∇ ̄o)

■an-kazuさん
「空の灯台」みたいなものです。

■miffyさん
エンルートチャートをそのまま貼ってしまえば簡単なんですけど
怒られるので自重しますが、全国各地にたくさんありますよ。
miffyさんの地元近くですと、北九州VOR/DME、小倉VOR/DME、築城タカン
があります。

以外と興味ある方がいらっしゃるみたいなので後日記事にしようかしらん。
by とり (2012-10-29 05:40) 

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