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河和水上機基地跡地 [├空港]

   2010年7月訪問 2023/1更新  


無題9.png
撮影年月日1949/08/05(USA R2985 9) 
出典:国土地理院ウェブサイト(地理院データを加工して作成)

知多半島南部、知多湾に面する「河和(こうわ)水上機基地」の跡地。

3つのスリップが残っています。 

■防衛研究所収蔵資料「海軍航空基地現状表 内地之部 横須賀鎮守府所管航空基地現状表(昭和二十年八月調)」

の中で、当飛行場について一部次のように記載がありました。

基地名:第一河和 建設年:1943 飛行場長x幅 米:第二河和共用 主要機隊数:飛行機整備 主任務:教育 隧道竝ニ地下施設:施設アルモ数量不明 掩体:施設アルモ数量不明

基地名:第二河和(水上機地) 建設年:1943 飛行場長x幅 米:巾50x3 巾120x1コンクリート 主要機隊数:小型3.0 主任務:教育作戦 隧道竝ニ地下施設:居住 其ノ他施設アルモ数量不明 掩体:施設アルモ数量不明 

■防衛研究所収蔵資料:5航空関係-航空基地-83 航空基地図 綴(本土関係)には、

航空基地施設史実調査資料表
基地名 第一河和
所在地 愛知県知多郡河和町
最寄駅 名鉄知多線河和駅
主要機種 中、小型

航空基地施設史実調査資料表
基地名 第二河和(水)
所在地 愛知県知多郡河和町
最寄駅 名鉄知多線河和駅
滑走(台) 
主要機種 中、小型、練習機
収容力 分散前 兵舎約一,九〇〇名
其の他の主要施設 送信所、舟溜、桟橋、隧道等

とありました。

第二河和(水)の 滑走(台)についてなんですが、

この部分のすぐ上の欄外には、 

巾50米…三基
〃120米…一基

と手書きで追記がありました。

D20_0143.jpg

滑走台A(アルファベットは便宜上勝手につけたものです。公式なものではありません)

D20_0140.jpg

滑走台B:東側実戦機用スリップ

D20_0151.jpg

滑走台C:東側練習機用スリップ

D20_0153.jpg

近くの公園内にある碑(青マーカ)

「河和海軍航空隊跡記念碑」(全文) 第二次世界大戦中 河和の地に海軍航空隊が設立され 全国より集結した隊員の青春の広場となったことをここにとどめ この碑を建立する 昭和五十三年八月吉日 河和会 記 昭和十八年十二月 河和海軍航空隊設立 第十八連合航空隊に編入(整備教育) 昭和十九年四月 第二河和海軍航空隊開設 第十一連合航空隊に編入(水上桟操縦教育) 昭和二十年二月 河和海軍航空隊は第一河和海軍航空隊となる 昭和二十年五月 第二河和海軍航空隊は第十一連合航空隊から第三航空艦隊第十三連合航空戦隊に編入さる 昭和二十年八月 終戦 戦没者数三十七名 碑名 青春 製作者三谷勲


      愛知県・河和水上機基地跡地     
高空を飛来してくる敵機に迎撃を行いましたが、水上機では接敵すら困難でした。末期には水上機による特攻訓練が行われました。スリップには破損個所があり、これは「空襲の際のもの」、「戦後米軍が破壊したもの」等の説があるそうです。また板状のコンクリートを敷いたエプロン跡、建物基礎が現存するそうです

河和水上機基地 データ
設置管理者:海軍
種 別:水上機基地
所在地:愛知県‎知多郡‎美浜町‎古布‎
座 標:N34°45′46″E136°55′36″
面 積:180ha
スリップ:50m×50m、250m×50m、80m×50m
(座標はグーグルアースから)

沿革
1941年    着工
1943年12月 河和海軍航空隊設立。整備教育が行われる
1944年04月 第二河和海軍航空隊開設。操縦訓練が行われる
        戦後は農地、工場、漁港等になる

この記事の資料:
現地の碑
防衛研究所収蔵資料:海軍航空基地現状表 内地之部 横須賀鎮守府所管航空基地現状表(昭和二十年八月調)
防衛研究所収蔵資料:5航空関係-航空基地-83 航空基地図 綴(本土関係)


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コメント 7

鹿児島のこういち

おぅ、これこれ!ここ河和水上機基地跡は、僕も岐阜のいとこに聞いたり、それ関係の雑誌に載ってたりとか、知ってた場所です。ただし、直接見てないんですよf^_^;
考えてなかったんですが、B地点のスリップ、大きいですよね!実戦用に複数の機体をいっぺんに移動できるようにですかね?(^O^)
by 鹿児島のこういち (2010-12-06 12:35) 

tooshiba

戦後60余年を経てなお歴史の証人として健在のスリップたち・・・。
昔のコンクリートは頑丈だったんだなぁとしみじみ。(単にオーバースペックなだけ?)
by tooshiba (2010-12-06 15:29) 

masa

これはわかりやすいですね。
釣りもできるとはいいところですね。
by masa (2010-12-06 17:31) 

miffy

最近更新情報がちゃんとしてないので記事UP見逃してました^^;
スリップ、何度も見たことがあるのに水上飛行機に関係あるとは思ってなかったです。
by miffy (2010-12-06 23:13) 

とり

皆様 コメント、nice! ありがとうございます。

■鹿児島のこういちさん
お待たせ致しました^^
>複数の機体をいっぺんに
オイラもそういうことかなぁ、と思いました。

■tooshibaさん
本当に頑丈ですよね。
こうやって海水でザバザバ洗われるのって、保存環境としては最悪だと思うのですが。。。

■masaさん
釣り客が多かったですね。
masaさんも釣りされますか^^

■miffyさん
ありゃ、そうでしたか^^;
>水上飛行機に関係
普通はヒコーキと結び付かないですよね~。
オイラの知る限り、ヒコーキ用現役のスリップは一つだけなのですが、
年明けにアップ予定です^^
by とり (2010-12-07 07:08) 

sak

スリップ、この前の記事で覚えたから
今回はちゃんと理解しながら拝見することができました(^^
実際飛ぶところ見たいなぁ...
by sak (2010-12-07 10:22) 

とり

■sakさん
お、覚えてましたか。嬉しいです^^
>実際飛ぶところ
タイミング次第ですが、sakさんお住まいの近くで見れますよね^^
by とり (2010-12-07 20:20) 

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