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万代島飛行場跡地 [├空港]

    2011年9月訪問 2020/11更新  


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1/25000「新潟北部」昭和6年修正「今昔マップ on the web」より作成

新潟県新潟市、‎信濃川の河口付近にある万代島‎。

かつてここに「万代島飛行場」がありました。

昭和4年5月、新潟市最初の市営飛行場として建設されました。

同年8月、朝日新聞社が万代島飛行場~東京立川飛行場間に郵便飛行機を就航させました。

夏期のみ毎週3往復のみの季節運航としてスタートさせたのですが、

残念ながら地盤の欠陥等のため半月しかもたなかったのだそうです。

そのため新潟市はすぐ東側に新たな飛行場を建設することにしたのでした。

残念ながら今のところ飛行場の地図が見つからず、万代島をどのように使用していたのか不明なのですが、

上に貼った地図は、飛行場廃止から約2年後とかなり近い時期のものなので、

運用当時の万代島も恐らく同様の形だったと思います。

全面更地で、北の飛び出た細長い部分を除外しても、

1,000mx70m~250mの長さがとれるので、広さとしては十分だったはずです。

 

国立国会図書館レファレンス共同データベース: レファレンス事例詳細の中で、

「昭和初期に万代島にあった飛行場について,関連書籍や新聞記事が見たい。」

というものがあり、回答は以下の通りでした(下記リンク参照)。

(1)『新潟市史 通史編4』(新潟市 1997)p203「郵便飛行の開始」
昭和4年8月17日の定期郵便飛行開始について,わずか半月間使用されただけ,との記載あり。
(2)『萬代橋と新潟』(新潟市 2005)p65「喜びの開通」
(3)『日本ヒコーキ物語 北陸信越篇』(平木国夫著 冬樹社 1980)p156「新潟路線」
昭和4年8月15日に定期航空開始。
開航式には県下の官民百五十余名が出席した,などの記載あり。
(4)『山本五十六と民間航空政策』(長谷川甲子郎著 長谷川印刷 1995)p10
「萬代橋竣工記念行事の一環として東京朝日新聞社は社有飛行機の記念飛行を市当局に申し出た。これを歓迎した中村市長は暫時朝日機の滞在を要求し,このため万代橋直近下流側の万代島に市費を支出して臨時の離着陸場を新設した。(中略)万代島離着陸場が狭少とあって,中村市長は本格的な飛行場新設の必要を認めこの決心をする。」と記載あり。

新潟新聞マイクロフィルムの記事について,開航した昭和4年8月15日を含む前後5日間ずつを確認。

(5)昭和4年8月13日 東京・新潟間に郵便飛行を開始
(6)昭和4年8月15日(夕刊)東京・新潟間 郵便飛行店開き
(7)昭和4年8月16日(夕刊)東京・新潟間 郵便飛行コース開く

続けて建設された飛行場については次の記事で。

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赤マーカー地点。

立体駐車場の歩道橋から南側に向かって撮りました。

新潟コンベンションセンター、万代島ビルが並んでます。


      新潟県・万代島飛行場跡地      

万代島飛行場 データ

設置管理者:新潟市
種 別:陸上飛行場
所在地:新潟県‎新潟市‎中央区‎万代島‎
座 標:N37°55′36″E139°03′39″
飛行場:1,000mx70m~250m?
(座標はグーグルアースから)

沿革
1929年05月 初の市営飛行場として建設
    08月 15日 東京便季節運航開始

関連サイト:
国立国会図書館レファレンス共同データベース 
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