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笠之原飛行場跡地 [├空港]

   2011年6月訪問 2022/1更新  


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(昭和10年11月撮影)高度800米 方位W 距離約1,000米
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1935年(昭和10年)11月調査資料添付地図 Translation No. 19, 20 December 1944, airways data; Kyushu Chiho. Report No. 3-d(15), USSBS Index Section 6 (国立国会図書館ウェブサイトから転載。上2枚とも)

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撮影年月日 1947/01/25(昭22)(USA M11 78)  
出典:国土地理院ウェブサイト(地理院データを加工して作成) 

鹿児島県‎鹿屋市‎笠之原町‎にあった「笠之原飛行場」。

前記事の「鹿屋航空基地」の東約5kmに位置しています。

■防衛研究所収蔵資料「海軍航空基地現状表 内地之部 佐世保鎮守府航空基地現状表」
の中で、当飛行場について一部次のように記載がありました。

基地名:笠ノ原 建設ノ年:1943 飛行場 長x幅 米:800x50コンクリート 主要機隊数:小型3.0 主任務:作戦 隧道竝ニ地下施設:居住3,500平米、指揮所、電信所、燃料庫、爆弾庫、倉庫、工業場 掩体:中、小型無蓋210


■「戦前戦後の飛行場・空港総ざらえ」によりますと、

『鹿児島県史』によると「古く大正10年に建設された鹿屋市笠野原海軍飛行場と、
昭和11年に建設された同鹿屋海軍飛行場は、ともに日華事変中から海軍航空隊の基地として利用され」とある。


とのことです。 


■水路部資料「航空路資料 第7 昭11-8 九州地方飛行場及不時著陸場」に

当飛行場の資料、地図が出ています(下記リンク参照)。

当飛行場に関するページは「1935年11月調」とあり、飛行場の地図には上のマップの東西の滑走路のあった辺りに

滑走路ではなく、着陸帯が設定されているように描かれています。

南北方向の滑走路部分は飛行場敷地に含まれていません。

当飛行場は1922年開設と、かなり古くからある飛行場のため、

後年拡張、滑走路建設をして終戦時の形になったのだと思われます。

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紫マーカー地点。

コンクリート製入口。

笠野原小学校西側の通りを南下するとあります。

グーグルのストリートビューに思いっきり写ってました。

旧笠之原海軍航空基地跡地(全文) 沿革 現在地は旧笠之原飛行場として、大正十一年八月から昭和二十年八月十五日まで二十四年間に亙り、旧陸海空軍の飛行場基地として使用されていた。太平洋戦争末期の昭和十九年一月十五日には海軍航空基地が設置され、田中隊一個中隊が常駐することとなった。又、昭和二十年一月には第二百三航空隊零式戦闘機七十二機が配備され、特別攻撃隊として南海の戦場に散っていった。その後昭和二十年三月十八日の連合軍の集中爆撃のため、格納庫を始めとする基地施設は全滅し、当時を物語る唯一の遺物として、このコンクリート入り口が、東西に走っていた滑走路へ通ずる地下道入口並びに地下通路指令室として現存しているものである。当地は民有地を買収して飛行場がつくられた関係上、終戦により地元地区民に農地として無償で払い下げられ、現在に至っている。鹿屋市観光協会

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反対側から見るとこんな感じ。

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赤マーカー地点。

東西の滑走路はこの少し先に真っ直ぐ伸びていたはずです。

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青マーカー地点。

南北の補助滑走路はここから伸びていたはずです。


      鹿児島県・笠之原飛行場跡地      

笠之原飛行場 データ

設置管理者:陸軍、海軍
種 別:陸上飛行場
所在地:鹿児島県‎鹿屋市‎笠之原町‎
座 標:N31°22′48″E130°53′27″
標 高:43m
滑走路:800m×50m(09/27)
補助滑走路:820mx30m(18/36)
(座標、標高、方位はグーグルアースから)

沿革
1922年08月 民有地を買収して飛行場建設。陸海軍の飛行場基地として使用
1944年01月 海軍航空基地設置
1945年01月 零戦が配備され、特別攻撃隊として出撃
     03月 連合軍による集中爆撃を受け、基地施設全滅
     05月 15日 零戦50機用緊急整備強化実施
     08月 基地閉鎖。 地元地区民に農地として無償で払い下げ

関連サイト:
水路部資料「航空路資料 第7 昭11-8 九州地方飛行場及不時著陸場」  
ブログ内関連記事       

この記事の資料:
現地の説明版
「日本海軍航空史」(終戦時)
防衛研究所収蔵資料「海軍航空基地現状表 内地之部 佐世保鎮守府航空基地現状表」
「21世紀へ伝える航空ストーリー 戦前戦後の飛行場・空港総ざらえ」


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